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読書も味方

「読書ってホントに面白い!」
読書離れも叫ばれる中、本を読まない方も多くなってきています。
しかし、ビジネスパーソンにとって読書は学びの宝庫であり、日々の仕事の課題を解決するためのヒントや答えが目白押し。
どんなジャンルであっても、読書は仕事において自分を助けてくれるものと信じています。
本は読みだすととても楽しく、まさに至福の時間です。
普段から読書をする方でも、しない方にも、読んできっと楽しめる本を紹介していきます。

「コロナ黙示録」を読んでみた。


内容紹介

桜宮市に新型コロナウイルスが襲来。

その時、田口医師は、厚労省技官・白鳥はーーそして“北の将軍”が帰ってくる!

ダイヤモンド・ダスト号で起きたパンデミックと忖度政治。今、病院で起きていること。これは虚構か真実か。作家・医学博士の海堂尊が描き出す、現代ニッポンの“今”世界初の新型コロナウイルス小説、刊行!

2020年、東京オリンピックを前にした世界に、新型コロナウイルスが襲来した。豪華クルーズ船ダイヤモンド・ダスト号で感染者が発生、この対応で厚労省を始めとする安保政府は後手に回る。一方、北海道の雪見市救命救急センターでもクラスターが発生。速水晃一センター長を始め、対応に追われる。クルーズ船感染者を、東城大学医学部付属病院ホスピス病棟、黎明棟で引き受けることになり新型コロナウイルス対策本部に任命された田口公平がその任にあたる。一方、東京ではかつて「日本三分の計」を打ち出し、挫折した元浪速府知事・村雨を筆頭に政策集団・梁山泊が安保内閣の打倒をめざしていた……。


世界初の新型コロナウイルス小説

第4回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞した「チーム・バチスタの栄光」は映像化もされており、人気作家といる海堂尊さん。

私自身は読書が趣味絵色々なジャンルの本を読んでいるほうだと思いますが実は海堂さんの作品を読むのははじめて。

読んだのはちょうど1年ほど前。

きっかけはネットで本書のインタビュー記事を読んだことだったのですが、現在も世界を苦しめる新型コロナウイルスを題材にした小説であり、現政権に関するメッセージが盛り込まれているということで読んでたいと思い早速メルカリで注文しました。


政治はタブーなのか

ノンフィクションではありますが、登場する人物は現存するあの人というのはニュースを見ている方ならすぐにピンカンくることでしょう。

現政権に対する強烈な皮肉であり、人によっては抵抗感がある作品と言えます。アマゾンなどでレビューをみてもその様子がみてとれます。

よく商談では、政治と野球の話はタブーというのが日本の不文律で聞いたことがある方もいらっしゃるかと思います。

その点でいうと本書はアウトかもしれません。

某他国であれば出版もできないのではないでしょうか。

ただ、逆に考えると本書の発売は日本では言論の自由が認められていることの裏返しかもしれませんね。


ウィズコロナ・アフターコロナ

「シンコロの恐ろしさは人のつながりを破壊するところです。接触を絶たなければ感染が拡大するなんて、これまでの人類の友愛の基本を叩き壊すようなものです。それは人類が初めて直面したジレンマでしたが、新しいつながりが生まれました。その一つがSNSです。直接の接触はできないけれど、人々の連携は保たれる。私たちは絶望することなく淡々と、コロナに対処していくしかないんだと思います」

これは作中のある人物のセリフ。新型コロナについてよくまとめられている言葉と感じます。

緊急事態宣言が出て友人と飲みにいくことができなくなったり、外食することに抵抗がでたり、これまで当たり前に思っていたことができなくなったことでそのありがたみがよく分かりました。

またリモートで働くためのツールが広がるなど、これまでの働き方を良くも悪くも見直す機会にもなりました。

現実の新型コロナはまだ終息が見えず、まだまだ私たちは生活様式を考えながら、新しい生活様式で過ごしていくことになるのでしょう。

でも、全てを悪いことととらえるのではなく、そこから希望を持てるような視点も必要であり、それがアフターコロナやウィズコロナの世界に求められているのだと思います。


まとめ

海堂氏は人気作家であり、今回の作品は政治色が強く賛否両論を巻き起こすことは覚悟の上で本書を出したのだと思います。

失うものも大きい中、伝えたいという使命感が本書を生んだのだと思います。そこには敬意を表したいです。

色々な政治思想があり、そこに絶対的な正解はないと思いますが、絶対に守ったほうが良い正義みたいなものはきっとあると思います。

本書はそういったことを振り返って考えるのに良い本だと思いました。ちなみに最後になりましたが、チームバチスタシリーズを読んでいる人も読んでいない人も」きちんと楽しめる作品になっていますのでそこはご安心を!

(書き手 枝町旭展)