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読書も味方
「読書ってホントに面白い!」
読書離れも叫ばれる中、本を読まない方も多くなってきています。
しかし、ビジネスパーソンにとって読書は学びの宝庫であり、日々の仕事の課題を解決するためのヒントや答えが目白押し。
どんなジャンルであっても、読書は仕事において自分を助けてくれるものと信じています。
本は読みだすととても楽しく、まさに至福の時間です。
普段から読書をする方でも、しない方にも、読んできっと楽しめる本を紹介していきます。
「ぜんぶ、すてれば」を読んでみた。
内容紹介
中野善壽(なかの・よしひさ)、75歳。
伊勢丹、鈴屋で新規事業の立ち上げと海外進出を成功させる。
その後、台湾へ渡り、大手財閥企業で経営者として活躍。
2011年、寺田倉庫の代表取締役社長兼CEOに就任。
大規模な改革を実施し、老舗の大企業を機動力溢れる組織へと変貌させた。
その手腕と独自の考え方、そして人柄により、各界の著名人に慕われている。
一方で、メディアにはほとんど姿を現さず、
社員にさえ、本当に実在するのか疑われていた、異端の人物。
その生き方の根幹にあるのは「何も持たない」こと。
家や車、時計は持たない。お酒もタバコも嗜まない。
お金も若い頃から、生活に必要な分を除いてすべて寄付している。
何も持たないからこそ、
過去に縛られず、未来に悩まず、
今日を大切に生きることができる。
本書は、中野氏の話を聞くことにより浮かび上がった
現代を前向きに、楽しみながら生きるためのヒントを
短い言葉と文章にまとめ、紹介する。
これは生き方の本
タイトルには「捨てる」というメッセージがありますが、この本は捨てずに時が経ってからまた読みたいなと思わされました。
著者である中野さんはあまりの逸話に、実在すら疑われていた伝説の経営者だそうです(自分は雑誌記事で存在を知りました)。
本書はそんな人物の人生哲学が非常に簡潔に、分かりやすく、余計なものを全部捨てられた文章でストレートに書いてあります。
正直、ここまで持たない生き方は僕はマネできないなと思いました。また、同じようにできる人は少ないでしょうし、だからこそ中野さんが伝説なのだと感じます。
ただ、マネはできずともその生き方・哲学から学べることは非常に多いなというのが読んだ実感です。
まさに自分自身がバイブル。その生き方が、ただただカッコいい。そんな人物像が滲み出ています。
やりたいことが、なくてもいい。
よく言われることですが、「やりたいことを見つけよう」みたいな言葉。
個人的には結構罪な言葉だと思っています。なんか「やりたいことがないとダメ」みたいなニュアンスが含まれているように思うのです(←僕がひねくれている!?)。
やりたいことがなかった自分にとっては、特に就職活動のときなどはこの言葉に悩まされたものです。
正直、就職についてやりたいことなんて見つかるほうがラッキーなくらい難しいこと。
特に学生さんの場合は、まだ社会に出ていないのだから、どんな仕事があるかも分からないわけです。
「仕事ができない」と悩む人は「やりたいことがない」から自分は駄目だと自身を責めてしまう方も多く、罪づくりで無責任な言葉。
中野さんは「やりたいことがなくても、正直であれば道は開ける」と言います。本書では、そのエピソードを語ってくれますが、本当にそのとおりだと思います。
できることが、なくてもいい。
人間なんでもばっちりできる人はいないわけではありません。確かにあなたの周りにも凄い天才的に仕事や勉強ができる人はいるかもしれません。
でも、そんな人は一部の例外。多くの人は能力に大差のない凡人です。
「自分にはなにもできない」「強みも特技もない」と思い自分に自信がない方も意外と多いかもしれません(僕自身もそれでずっと苦しみました)。
そんな人にはキャリアトランプ(https://ashitamomikata.com/menu.html)がオススメなのですが、その紹介は当サイトのサポートページに譲るとして・・・・。
中野さんは「こだわりがなければ、なんでもできる」と自身の経験から語ります。
何ができて、何ができないか。
それはやってみて初めて分かること。
その結果、できると思っていたことで失敗し、できないと思っていたことで逆にうまくいくことなんて社会に出たらざらにあります。
「何もやりたいことがなかった」としても、「できることがなかった」と思っていたとしても、こだわりを捨ててやってみることで活路は開けていきます。
まとめ
冒頭で書いたようにこれは生き方の本です。
仕事をしていると、「自分の人生、このままでいいのか?」と悩む場面がきっと来ると思います。
そんなときに考えるヒントをくれるのが本書のようなタイプの本。
レイアウトの妙か、非常に読みやすい。言葉がすっと入ってくる分かりやすいシンプルな文章です。
だから、ゆったり読み、ふと自分自身を振り返りながら、思いにふけることもできます。
おそらくそのときそのときの置かれている状況で読んだ感想が変わるように思います。だからこそ、また繰り返し読みたい良書です。
(書き手 枝町旭展)