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読書も味方

「読書ってホントに面白い!」
読書離れも叫ばれる中、本を読まない方も多くなってきています。
しかし、ビジネスパーソンにとって読書は学びの宝庫であり、日々の仕事の課題を解決するためのヒントや答えが目白押し。
どんなジャンルであっても、読書は仕事において自分を助けてくれるものと信じています。
本は読みだすととても楽しく、まさに至福の時間です。
普段から読書をする方でも、しない方にも、読んできっと楽しめる本を紹介していきます。

「52ヘルツのクジラたち」を読んでみた。


内容紹介

52ヘルツのクジラとは―他の鯨が聞き取れない高い周波数で鳴く、世界で一頭だけのクジラ。

たくさんの仲間がいるはずなのに何も届かない、何も届けられない。

そのため、世界で一番孤独だと言われている。

自分の人生を家族に搾取されてきた女性・貴瑚と、母に虐待され「ムシ」と呼ばれていた少年。孤独ゆえ愛を欲し、裏切られてきた彼らが出会い、新たな魂の物語が生まれる―。

注目作家・町田そのこの初長編作品!


感情が揺れる

読み終わった感想を一言でいえば「感情が揺れる」。

最近、小説を読む時間がなかなか取れていなかったのですが、小説を読むことの魅力や楽しさをまた感じさせてくれる素晴らしい本でした。

内容についてはぜひ読んでほしいので、詳細には語ることは避けたいと思いますが、ただただ言いたいことは、多くの方に読んでほしいなと思う作品であり、日常生活に疲れている方にこそ見ていただきたいということ。

52ヘルツのクジラとは―他の鯨が聞き取れない高い周波数で鳴く、世界で一頭だけのクジラのことで、それを知らなかった僕には最初は?だったタイトルも作品の中身をよく表す秀逸なタイトルに今となっては感じます。


すれ違いや衝突

悩みの9割は人間関係によるものと言われます。

それだけ人と人がやりとりをする中ではもちろんいいことをある反面、しんどさもあるということだと思います。

本書でも主人公たちの、誰にも聴こえない声を上げ続ける苦しさや、価値観が違う人間関係の中で起きるすれ違いや衝突が、繊細かつ強烈に書かれています。

同じことではなくとも、人間関係に悩んでいる人には響くものがあると思います。

しんどさの中に必ず暖かさがある本で、全ての人に読んでもらいたい、最高の1冊だと思います。


本屋大賞受賞も納得

説明が遅くなりましたが、本書は「本屋大賞」受賞作。

ちなみに「本屋大賞」とは、新刊書の書店(オンライン書店も含む)で働く書店員の投票で決定するもの。

過去一年の間、書店員自身が自分で読んで「面白かった」、「お客様にも薦めたい」、「自分の店で売りたい」と思った本を選び投票するそうです。

 なので、僕も毎年そのエントリー作品を含めて、全部読めるわけではないのですが気になる作品をよく読んでいます。

個人的には文学的な賞の受賞作以上に、面白いと思える本が多く、とてもありがたい試みだと思っています。

そして、本書も期待通り、大賞になったことが納得できる良書でした!


まとめ

小説はエンタメです。それは間違いないです。

しかし、小説にはビジネス書とはまた違う仕事に活きる学びがあります。

仕事も人間関係。人の機微が分かることは必ず仕事に役に立つと僕は思っています。

また、小説はストーリーを追う中で、その作中の世界(業界)のことをイメージし理解もできるので、仕事小説などは特に勉強になります。

本書は仕事小説ではないですが、きっと僕に残したものは大きいなと思います。

何より心が洗われるような気持ちになり読んでよかったです!

(書き手 枝町旭展)