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読書も味方

「読書ってホントに面白い!」
読書離れも叫ばれる中、本を読まない方も多くなってきています。
しかし、ビジネスパーソンにとって読書は学びの宝庫であり、日々の仕事の課題を解決するためのヒントや答えが目白押し。
どんなジャンルであっても、読書は仕事において自分を助けてくれるものと信じています。
本は読みだすととても楽しく、まさに至福の時間です。
普段から読書をする方でも、しない方にも、読んできっと楽しめる本を紹介していきます。

「つなぐ時計~吉祥寺に生まれたメーカーKnotの軌跡~」


内容紹介

海外ブランド時計の販売で成功した遠藤弘満は、ある日社長の座を失う。

絶望のなかで見つけたのは、自分のブランドを作る夢だった。

遠藤は全国を訪ね歩き、地方に埋もれた技術や伝統工芸を結集して、「本物の日本製時計」を作りだす。

2014年、80年ぶりの日本製時計メーカーとして創業したKnotの逆転誕生ストーリー。


インタビュー記事を見て

Knotについてのインタビュー記事をウェブでみてこの本の存在を知りました。

前職時代に営業職だったのですが、そのときの上司に時計はちょっとイイものを身につけるとよいと教わり、8年ほど前に奮発して自分にとって高めの統計を自身へのクリスマスプレゼントに買って以来、時計には愛着を感じるようになりました。

詳しくはないですがモノ系雑誌を読むようになり、いろんなブランドも覚えていきました。

そのときに知ったデンマークの時計ブランドを日本に広げたのが本書の主人公であり、この本は面白いはずと直感が働き購入した次第です。


会社のいいところ、悪いところ

遠藤さんがknotを立ち上げる前に、海外のブランドを日本で広げてきたところも本書では物語として描かれていますが、会社っていやだなと思うエピソードもありました。

自分が時間をかけて日本の市場に浸透させてきた会社の売り上げの7割を占めていた主力の時計ブランドが、世界的な買収劇により、販売権ごと巨大企業に吸収された件。

時には、一緒に創業した先輩との間に確執が生まれ、信頼関係に亀裂が走って会社を辞めることを選んだ件。

お互いに信頼していたオーナーとの関係が崩れ、急に社長を解任された件・・・などなど。

同じ経験をした訳ではないですが、社会に出て10年以上会社員生活をしていると重なってくる経験もあります。

そういったものを思い出しちょっと悔しさや悲しさが入り混じったような不思議な感情が読んでいて出てきました。


ブランドを立ち上げる

理不尽な企業の論理に翻弄されたり、信じていた人に裏切られたり・・・。つらい経験を経て、遠藤さんは自分のブランドを立ち上げることになります。

時計業界の構造にメスを入れるようなビックチャレンジの詳しい部分はぜひ本書を読んでほしいのですが、業界の当たり前の先に大きな可能性があるのはどこの業界もきっと同じなのだと思いました。

しかし、それを実際に行うのは本当に厳しく、大変なことです。

「時計業界に新風を!日本製のプレミアムな腕時計を一万円台から気軽にカスタムオーダー」。

上記のコメントは、クラウドファンディングにトライしたときのタイトルだそうで、わずか6日で100万円を超え、最終的に500万オーダーと当時のMakuake(クラウドファンディング会社)のプロダクト企画の最高額となったそうです。

今でこそクラウドファンディングは広がっていますが、ネット時代だからこその仕組みであり、いろいろな巡りあわせがknotを助けたと言えるかもしれません。

ただ、それも遠藤さんの本気があってこそでしょう。もちろん本気であれば誰もが同じことをできるわけではないでしょうが、それが運を引き寄せるといってもいいと思います。

見習いたいポイントですね!


まとめ

本書を読み終わり、早速knotのホームページを見てみました。

沢山の種類があり、選ぶ楽しみがある品揃え。価格は手ごろですが、大手ブランドであれば倍はするような気がします。

今はまだ時計を買い替える予定ではないのですが、次買うときにはknotで買いたいななんて思ったりもしています。

コロナでなかなか東京には行きにくくなりましたが、ぜひ1度店舗にお邪魔してショッピングしたいなと思わせてくれるブランドです。

本書は読んで、(買うかどうかは別として)今度行ったときにぜひお店に行きたいと思わせてくれる力とまた自分も仕事を頑張ろうと思わせてくれる良書です。ぜひ読んでいただきたいと思います。

(書き手 枝町旭展)