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日々是味方

「見方を変えれば味方に変わる!」
日々の生活の何気ないことから学べることは沢山あります。
それは一見ちょっとしたことであっても自分自身のアンテナに引っかかるかどうかではないでしょうか?
 日々生活する中での気づきや思いについて、時に熱く語ります。

父と母と。


実家に帰ると

「そうだ、聞きたいことが色々あったんだよな」

 

父が紙切れを見ながら「AIってどういう意味だ?」

「LINEって?」 「SNSは?」

テレビを見ていてわからない“カタカナ”をメモっていたとの事。

 

そのほかグローバル、パラダイス(なぜ?!)、テレワーク、オンライン、

ツィッター、共同デリバリー、QRコード、リモート、ディスタンス、

ダウンロード、アプリ、モバイル・・・

 

 

突然テストを受けた気分。

私自身がなんとなくの理解なのに

70代の年寄りを相手にわかりやすく簡潔に説明するのは

とても難しい。(後でちゃんと調べて書面で父に送ろうと思う)

今の時代を生きているお年寄りは大変だ。

 

次は母がスーパーやドラックストア、コンビニの直近のレシートを出してきて

ポイントの還元率や貯まったポイントの使い方について聞いてくる。

 

よく行くスーパーで「チャージをしたらお釣りが返ってこない」、

と騒いでいた両親もやっとキャッシュレスに心を許したのか

ほかお店でもカードをつくってポイントを貯めたり、チャージしているらしい。

規約が書いている紙を大事に保管しているのに読む気がないのか、

“無形”のポイントやチャージがピンと来ないのか

私に解説を求めるのだ。

 

それが終わると父に数か月前に教えたYouTubeの操作の質問。

昨年、iPadで昔の歌謡曲を聞かせたら両親の目がキラキラと輝いた。

実家はWi-Fi完備でiPadもあるのだが

孫が遊ぶゲーム機だと思っていたようで一切触っていなかった。

昔の歌番組も減っている中、

好きな時間に好きな音楽やカラオケが無料で聴けるのはとても嬉しかったらしい。

あんなに喜ぶならもっと早く教えるべきだったと後悔したくらいだ。

私がつくったマニュアルはシンプルな操作しか書いてないので

ちょっと画面が違うとわからなくなるようだ。

 

質疑応答のルーティンが終わると珈琲とお土産のお菓子でひと息入れ、

山菜ナイフとビニール袋を持って家の裏の土手を登る。

まだ小さいフキノトウに「ごめんね」と言いながら採り歩き

時々さびれた港町を見下ろし、大きく深呼吸。

若い頃は何もないのが嫌だったけど、今はそれがホッとする。

 

夜は母のとりとめのない話に相槌を打つ。

病院の待合で向かいに座ったおばあさんが

同じショルダーバッグを持っていてショックだったこと。

気に入っているジャンパーを着たおばあさんを見かけたこと。

母の年齢でもそんなことが嫌だと感じるのだと

今回は女性としての母を垣間見た思いだった。

 

ここ数年、駅の改札口を通り振り返ると

見送ってくれる両親と幼い頃の記憶の祖父母が重なる。

 

この世界で一緒にいる時間が限られてきているような気がして

電車に乗り込む最後の最後まで

小さな子供のように思いっきり手を振るようにしている。

 

(書き手 ジャスミン)