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日々是味方

「見方を変えれば味方に変わる!」
日々の生活の何気ないことから学べることは沢山あります。
それは一見ちょっとしたことであっても自分自身のアンテナに引っかかるかどうかではないでしょうか?
 日々生活する中での気づきや思いについて、時に熱く語ります。

メイク教室。


今まで習って良かったと思うことの一つに

40歳過ぎてから通ったメイク教室がある。

 

この間書いたドライヤーの一件同様、

毎朝のメイクにとても時間がかかるのが悩みだった。

寝不足で疲れ切った亡霊みたいな状態で

終わりのないメイクをしている様子を思い出すと

吹き出しそうになってしまう。

 

メイクの新商品のCMに影響されたり

雑誌を見ながら試行錯誤したことは何度もあった。

しかしどれもしっくりせず、

自分の顔自体に問題がある、という結論に毎度至る。

でもやはり毎朝のこと、

短時間で小綺麗になる方法はないのか、の繰り返し。

 

ある夜もその波が襲ってきて寝ながらネット検索。

これまでは探し当てられなかった、

理論的なメイク教室を見つけてすぐに申し込んだ。

例えばアイシャドーは何のためにするのか、という座学から

8つの顔パターンに分類され、

顔の形状に合わせてそれぞれの手法をレクチャーしてくれる。

 

私が好きな顔は中村アンちゃん、内田有紀さん、柴咲コウさんなど

目鼻立ちがしっかりした女優顔。

私はというと、時代劇ドラマでお団子を運んでいるような、

テルマエ・ロマエでいう「平たい顔族」代表みたいな感じ。

全く形状・印象が異なる。

 

憧れるタイプの顔の手法で自分にメイクする、というレッスンがあり

彼女たちのメイクをやってみたら

雑誌をみて見様見真似でやったときの違和感と同じ。

なるほど、こういうことか、ととても納得した。

初回は知人10人に自分の外見の魅力を聞いてくる、という宿題が出た。

“メイク教室ってその顔で・・・”と思われるのでは、とか

魅力なんてあるわけないのにどうしよう、とか

宿題を聞いた瞬間にザワザワしはじめた記憶がある。

 

次回のレッスンギリギリまで勇気出ず、

メールで頼んだら意外にスムーズに返答がきた。

「肌年齢を感じないツヤ、すっぴんOK」

「鼻筋のライン」

「5歳児と大人の表情を兼ね備える」

「ほっぺがピカピカ。穏やかさと優しさを感じる」

「笑ったときの目」「茶色い眼球」・・・などの返答で

とても気にしている部分、

反対に全く気にしてない部分ばかりなことに衝撃だった。

(まぁ気に入っているところは一つもないのだけど)

 

宿題の発表後、生徒同士で魅力を伝え合うのだが

どこから見ても可愛いと思う人でも

本人にとって嫌だ、隠したい、と思うところがあり

それこそ他人にはチャーミングに見える。

そしてこんな「平たい顔族」の私を

“その雰囲気が羨ましい”という人が出てくる。

自分の魅力を認めていないのは自分自身、

ということを学んだ時間だった。

 

そういえば基本原則として“自分の顔を愛するように触れる”があった。

指がつくとき、離れる時は飛行機の着陸・離陸のように、

赤ちゃんを愛でるように、無心はダメ。

離れても心が途切れない「残心」で、と様々な例えを挙げ

大切に自分に触れる、を最初に教えられる。

実習は毎回顔を洗い、化粧水を塗るところから始まるのだが

「もっと優しくね」って最後まで注意された気がするし

眉毛は音を立ててザクザクと書いていたから本当に雑な扱いだった。

 

先生の手本を見るととても丁寧で仕草が優雅。

より美人に見えてしまう。そして時間はかかっていない。

洗顔後の肌に触れてから

適切な場所にスキンケアの量を加減して塗り、重ねる。

骨格や毛流れ、そのときの目の開き方やくすみなど

顔のパーツを確認しながらゴールを目指す。

何のためにメイクをするかを知っているから

観察しながら適切に仕上げることができるのだ。

 

だから自分にとってのメイクの優先順位を随時判断し

3分以内で完成させる“3分メイク”というレッスンのおかげで

念願だった短時間で済ませるワザを身に着けることができた。

そして要・不要のメイク用品も知ることができ

無駄なお金を使わなくなったのも通って良かったポイント。

 

メイクそのもの以外のことばかり書いてしまったので

最後はメイクのことで終わろう。

この教室ではファンデーションは顔全体ではなく

ある数カ所しか塗らない。

素肌をさらけ出す面積がとても大きく

慣れるまで気恥ずかしさが残る。

 

しかし実習を重ねる度に素肌から発する艶・透ける血色が

メイクでは出せない質感だと気づいてくる。

向かいに座った生徒さんを見ているとよりわかるのだが

その人らしい美しさ・エネルギーみたいなものが感じられるのだ。

 

最後まで単純なキレイを学ぶレッスンではなかった。

初級・中級・上級・そして最上級の途中で挫折した。

成果としては綺麗になったとは言えないが

ボヤ~ッとした顔から私らしくなったのは間違いない。

 

(書き手 ジャスミン)