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読書も味方

「読書ってホントに面白い!」
読書離れも叫ばれる中、本を読まない方も多くなってきています。
しかし、ビジネスパーソンにとって読書は学びの宝庫であり、日々の仕事の課題を解決するためのヒントや答えが目白押し。
どんなジャンルであっても、読書は仕事において自分を助けてくれるものと信じています。
本は読みだすととても楽しく、まさに至福の時間です。
普段から読書をする方でも、しない方にも、読んできっと楽しめる本を紹介していきます。

「御社にそのシステムは不要です。」を読んでみた。


内容紹介

中小企業を中心にこれまで700社以上ものシステム構築を行ってきた、
株式会社ジョイゾー代表・四宮靖隆氏が、

◎中小企業がIT化を図るときの進め方
◎要件定義の方法
◎簡単に導入できるクラウドサービスの紹介
◎外部のシステム開発会社の探し方・付き合い方
◎社内の調整、運用方法

などを伝える一冊。


IT化することが目的にあらず

ITといえば時短、自動化、業務効率化のツールなりシステムをイメージする方は多いでしょう。

最近ではDXとか小難しい言葉もよく聞かれるようになりました。

会社あるあるですが、実よりも言葉が先に先行してしまってなんだかよくわからないまま取り組んでしまい、結局導入されてもコストを食いつぶすということも結構あるように感じます。

本書はそんな経験をしないためにも読むとよい1冊です。

タイトルからわかるとおり、システム構築や社内のITシステム担当者の方に向けてはもちろん、それ以外の業務の方にも役立つと感じます。

なぜなら程度の差はあれど、今は業務においてITは欠かせないツールで誰しも大なり小なり関わっていますし、システムの構築や導入のプロセスはそれ自体が大きなプロジェクト。

会社にはいろいろなプロジェクトがありますが、ITに限らずそんな重大ミッションであるプロジェクトを進める上で大事な要素も学ぶことができます。


担当者がやるべきこと

大事なことはシステムの導入を業者さんに丸投げしないことという視点は僕も大いに賛成です。

なんの因果か、前職でも今の職場でもそうなのですがシステム構築の仕事には担当者として関わらせていただく機会が多く、その経験から心からそう思っています。

本書ではIT化担当に欠かせないように要素が3つ述べられています。

読んでいて「なるほど」と思い、僕が過去指名された理由もここなのかなと納得しました。

僕自身は実はITコンプレックスというか機械音痴を自負していて、プライベートでは自宅のネット環境なども自分ではうまくできず、業者さんへ費用を支払って苦手なことをしてもらうスタンス。

それゆえにIT担当としてはあまり知識もないと自負していたのですが、ポイントは知識ではないと読んでいて気づかされました。

3つの要素についてはぜひ本書でご確認いただくとして、とても腑に落ちてスッキリしました。


増やすだけではなく、減らす視点も。

システム導入はゴールではなく、むしろそこがスタートという表現があります。

「カイゼン」で有名なトヨタさんでも「改善後は改善前」という言葉があるそうですが、よりよい業務への進化にはゴールがなく、常に誰しも意識をしていくことが大事な点だと思います。

経験則で恐縮ですが、システム構築にあたり、ついついあれもこれもできたら便利!と機能を追加するケースは担当したことがある方はおそらく心当たりがあると思います。

しかし、それって本当に便利になるかは実は不明なところです。

むしろ、機能を増やすより、やらないことを決めて、できることを集中した方が結果として業務効率化に繋がることも多い気がします。

そういった点では「減らす視点」に注目するとよりIT化もうまくいくかもななんて感じて本書を読んでおりました。


まとめ

経験ある分野ということもあるでしょうし、興味がある分野ということもあってか、読んでいて面白くついつい一気読みしてしまった本書。

上段でも述べたように、システム担当者さん以外のどんな仕事にも役立つエッセンスがある良書です。

プロジェクトなどを進めていくことが苦手で「仕事ができない」と思っている方にとってはかなり良い教科書になってくれると思います!

(書き手 枝町旭展)