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日々是味方

「見方を変えれば味方に変わる!」
日々の生活の何気ないことから学べることは沢山あります。
それは一見ちょっとしたことであっても自分自身のアンテナに引っかかるかどうかではないでしょうか?
 日々生活する中での気づきや思いについて、時に熱く語ります。

愛ちゃん


愛ちゃんは中学校の同級生で

口数が多いほうではないが

意思ははっきりしていて優しく、

いつも彼女の周りには人がいた記憶がある。

 

高校から別々の学校生活になり

顔を忘れない程度に会っていたものの

旦那さんが農業へ転身し

誕生日のメールや年賀状で

消息確認をする程度になっていた。

 

その愛ちゃんと先月、料理教室に行ってきた。

コロナ対策のため、4人で1テーブルが

2人で1テーブルに変わっていてラッキー。

愛ちゃんと二人でスムーズに役割分担。

ブランクが無いのがさすが女同志。

 

前日、朝8時半に愛ちゃんからLINEが来ていた。

「おはよう。いよいよ、明日だね。」

当日の朝は

「おはよう。今日はよろしくお願いします。

地下鉄着席しましたー。発車を待つのみです。」

思わず吹き出し、

遠足か!と心の中で突っ込んだ。

 

私が会社を辞めて引っ越し、

愛ちゃんの家に近づいたのをきっかけに

また会うようになっていた。

夏から秋は野菜の配達帰りに家に寄ってもらい

それ以外はお互いの家を行き来。

そして昨年末、私が時々通ってる料理教室に行きたい、

と愛ちゃんが言い出し、正直驚いた。

 

3人の子育てと農業、

盛りだくさんの生活の様子を聞いてると

自分だけの時間やお金を使うことは

安易ではないと想像していたから。

 

調理が終わり試食して

近くでコーヒーを飲みながら

愛ちゃん単独で(SNSを)発信したり

手作りリースを売ってみたら?と盛り上がり

帰り道、街をブラブラ。

 

違和感が無いけど不思議。

私が会社を辞めなければ

愛ちゃんも子育てが落ち着いてなければ

今日はなかっただろう。

 

愛ちゃんは何を見てもめずらしく

楽しんでいるように見えた。

次はいつになるかわからないし

こんなことなら

もっと喜んでもらえるところを

予め考えておくべきだったな、と後悔した。

 

この日の夜の愛ちゃんからのLINE。

 

「今日はありがとう。本当に行って良かったです。

美味しかったし、レシピも覚えたし、

満足感いっぱいです。

街ブラも楽しかった。

色々話せてなんかやる気が出てきたぞ。

丁寧なお料理をいただくと心もお腹も満たされて

翌日の朝くらいまでキープする感じがするわ。

でも夕飯食べたけどね」

 

私にとって料理教室は

食材の組み合わせや調理の仕方など

知らなかったことを知る楽しさ。

 

だけど愛ちゃんは

二人でつくった料理を“丁寧な料理”と捉え

“心もお腹も満たされた”と感じていた。

同じ体験をしてもこの違い。

なんと言ったらいいか

愛ちゃんは体全体で感じ取っている気がする。

 

あ~これだな。

中学生の時はピンときてなかったけど

みんなが愛ちゃんと話したがるのは

こういうところだったのかも。

 

愛ちゃんの農業は

その農地で育った作物から種を取り

肥料・農薬を使わず

野菜自らが力強く育つようにサポートする自然栽培。

 

この手間ひまかけた野菜づくりも

愛ちゃんの感性に

磨きをかけているのかもしれない、と思った。

 

特に夏のズッキーニは毎年楽しみにしている。

縦に1.5センチ厚くらいに切って

オリーブオイルでじっくり焼く。

表面が透き通って

ツヤツヤの黄金色になれば

「ズッキーニステーキ」の出来上がり。

岩塩をパラりとかけてかぶりつくと

トロトロのズッキーニの旨味に

「はぁ~」とため息がでるほどだ。

 

私にとって

“心もお腹も満たされる”ってこのことだ。

単純だな~!

これからは私ばかりしゃべっていないで

もう少し愛ちゃんの話を聞いて学ぼうと思う。

(書き手 ジャスミン)