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日々是味方

「見方を変えれば味方に変わる!」
日々の生活の何気ないことから学べることは沢山あります。
それは一見ちょっとしたことであっても自分自身のアンテナに引っかかるかどうかではないでしょうか?
 日々生活する中での気づきや思いについて、時に熱く語ります。

2メートル前からの笑顔


1日に何度も鏡を見ている。

 

いつも座るソファからすぐ手が届くところに手鏡が置いてあり、

なんのきっかけもなく

口角がきちんと上がるかチェック。

知らない人が見たら、

自分に酔っている人と思われるかもしれない。

 

3年前、「フェイスニング」を習っていたときに

毎朝自主練した癖がまだ残っている。

フェイスニングとは

鏡を見ながら行う表情筋のトレーニングで

確か事故や病気になった後の

顔のリハビリがはじまりだと先生が言っていた。

 

退職を考え始めた頃、

朝、化粧をしているときや会社のトイレの鏡で

ぎこちない表情の自分に気づいた。

そして周りの笑顔がとても眩しく感じるようになった。

見た目もヤバイけど、心もヤバかったと思う。

 

結局退職してから習いはじめたが

先生の言ってることは簡単なのにもどかしい。

手を添えないと動かない表情筋が

無表情でいる時間が長かったことを物語っていた。

 

それでもレッスン中に顔が火照りはじめ

軽く、柔らかくなっていく。

血流が良くなっている証拠らしい。

ハリや弾力の改善や老化予防、小顔効果など

美容のために良いこともその時初めて知った。

 

 

でも何よりもフェイスニングを習って

一番大きかったのは先生との出会いだ。

 

後光が指しているような

薔薇の花園からでてきたような

眩しすぎる笑顔で迎えてくれる。

(大げさではなく本当に!)

 

しかも超美人でとても優しくて

少し天然なところがチャーミング!

こんな絵に書いたような人が存在するのかと思ったくらい。

 

そんな先生に負けない笑顔で教室に入る!と

気合を入れて毎回通った。

 

 

細かいニュアンスは忘れたが

「人に会うときは2メートル前から笑顔で、をやってみましょう」と

いうレッスンがあった。

 

もう一人の生徒さんが

教室のドアの向こう2メートルから

「こんにちは~」と言って笑顔で入ってくる。

教室に残る先生と私は笑顔で迎える、という流れ。

 

足音が近づいてきてドアの向こうを見る。

生徒さんの笑顔が眩しく

キラキラと漫画のように何方向にも広がる。

あ、先生の笑顔もこんな感じだ。

 

ハイ、次ね、と促され、

驚きが残ったまま教室を出て深呼吸。

私もあんな風にできるのだろうか?

 

笑顔を整えて歩きはじめる。

弾むような足取りになるから不思議だ。

教室に入ると笑顔の先生と生徒さんを見て

さらに自分が笑顔になったのがわかる。

そこはちょっと熱気を感じるくらいの

あったかい空間になっていた。

 

確かあの日から

物静かな生徒さんと雑談をするようになり

距離が縮まったんだ。

 

ただ笑顔で教室に入っただけ。

ただ笑顔で迎えようとしただけ。

笑顔が大切、なんて言葉をはるかに超えて

人が発するエネルギーの素晴らしさを

そのとき知った。

 

それから

2メートル前から笑顔のスイッチを入れる、

それだけでも充分有効。

でも先生の笑顔と発する言葉、振る舞いを見る度に

テクニック不要な自分になりたいと思うようになった。

 

 

フェイスニングは力づくで動かそうとしたり

焦ってやりすぎるのは逆効果。

リラックスしていないと正しいトレーニングにならない。

 

だから鏡を見る度に口角を上げ

今日の調子はどうかな?

よし、笑えてるね!

どうした?

なんか引っ掛かることあったっけ?

・・・と都度自分と向きあうことになる。

 

「自分の心地よさをバロメーターに生きる」

そう決めたのはこのレッスンのおかげでもあるなぁ。

久しぶりに先生に会いたくなった。

(書き手 ジャスミン)