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読書も味方
「読書ってホントに面白い!」
読書離れも叫ばれる中、本を読まない方も多くなってきています。
しかし、ビジネスパーソンにとって読書は学びの宝庫であり、日々の仕事の課題を解決するためのヒントや答えが目白押し。
どんなジャンルであっても、読書は仕事において自分を助けてくれるものと信じています。
本は読みだすととても楽しく、まさに至福の時間です。
普段から読書をする方でも、しない方にも、読んできっと楽しめる本を紹介していきます。
下町ロケット~ゴースト~」を読んでみた。
内容紹介
大人気シリーズ、待望のシリーズ!
宇宙(そら)から大地へ。
いま、佃製作所の新たな戦いの幕が上がる!
2015年に放映されたドラマ「下町ロケット」(TBS日曜劇場)の大ヒットも記憶に新しい、「池井戸潤、絶対の代表作」に待望のシリーズ最新刊が登場!
倒産の危機や幾多の困難を、社長の佃航平や社員たちの、熱き思いと諦めない姿勢で切り抜けてきた大田区の町工場「佃製作所」。
しかし、またしても佃製作所は予期せぬトラブルにより窮地に陥っていく。
いまや佃製作所のシンボルとなったロケットエンジン用バルブシステムの納入先である帝国重工の業績悪化、主要取引先からの非情な通告、そして、番頭・殿村に訪れた危機――。
そんな絶体絶命のピンチを切り抜けるため、佃が下した意外な決断とは・・・・。
大きな挫折を味わってもなお、前に進もうとする者たちの不屈の闘志とプライドが胸を打つ! 大人気シリーズ第三弾!!
下町ロケットシリーズ「宇宙から大地」編、開幕!!
会社小説の決定版
2018年秋のテレビドラマ「下町ロケット2」の原作。2015年に最初の民放連続ドラマ「下町ロケット」が放送され人気を博した同作は、会社小説の決定版ともいえる存在だと思います。
自分自身も大ファンで見ていて胸が熱くなったものです。
学生時代でも楽しめると思うのですが、社会人になってから、特に会社勤めをしたことがある方にとっては多かれ少なかれ気持ちがわかる、響く内容かと思います。
内容としてはドラマで見ていたので大枠は分かっていますが細かな点など幸いにして(?)忘れていたためとても楽しんで読み進められました。
本作は名言のオンパレード。演技でも沁みますが、文字になると噛み応えがある読み応えとでもいいましょうか?いい言葉の宝庫でした。
天才と町工場
作中の天才技術者・島津の一言に感慨深いものがありました。
「お金もないし、自由にならないことも多いけど、それでもあの組織で理不尽な思いをしているよりはずっといい。苦労はするけど、自分が作りたいものを作れるって、本当に幸せなことなんです」
島津は大企業に勤めていたが、そこでうまくいかず同僚と小さな会社を立ち上げたという経緯があってのこのセリフ。状況は違えども多くの方にも感じるものがあるのではないでしょうか?
僕自身も大好きな会社の変化に対応できず、過去を捨てきれずに苦しんだ経験があり、結果的にはまぁいろいろな要因が重なり転職をして今に至るのですが、同じ状況ではないのですが不思議と気持ちがわかるセリフで心に沁みました。
浪花節かもしれないけれど
主人公佃航平も沁みる言葉を言ってくれます。
「会社だってひとと同じでさ。損得以前に、道義的に正しいかが重要なんじゃないのか。相手のことを思いやる気持ちや、尊敬の念がなくなっちまったら、そもそもビジネスなんて成立しない」
自社にとっては喉から手が出るほど欲しい技術を有している会社があるトラブルに見舞われ、タダ同然で買収する選択肢が出てきた際に出てきた一言です。
最近では損得で判断する人や組織が多くなってきたと感じる中で、ひととして会社としてどうあるべきかを示してくれていると感じ胸が熱くなりました。
食うか食われるか。厳しいビジネスの世界では理想論と言われるかもしれません。甘いと馬鹿にされるかもしれません。そうだとしても「真っ当であること」にはそれ以上の価値があると信じている僕にとっては涙した場面でした。
まとめ
感動もしますし、沁みる言葉もここで紹介したほかまだまだあります。とにかく面白いから読んでみてと進められる良書です。
会社小説から学ぶことは多く、楽しめてかつエネルギーも貰えるこのような本を読むと力を貰えるなとしみじみ感じました。
本作は次作の「ヤタガラス」シリーズと合わせて実質完結となるストーリーですので、早速そちらを読みたいと思います。
ぜひ読んでほしいですし、本を普段から読まない方も読書を始めるとっかかりにいいのではと思います。
(書き手 枝町旭展)