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読書も味方
「読書ってホントに面白い!」
読書離れも叫ばれる中、本を読まない方も多くなってきています。
しかし、ビジネスパーソンにとって読書は学びの宝庫であり、日々の仕事の課題を解決するためのヒントや答えが目白押し。
どんなジャンルであっても、読書は仕事において自分を助けてくれるものと信じています。
本は読みだすととても楽しく、まさに至福の時間です。
普段から読書をする方でも、しない方にも、読んできっと楽しめる本を紹介していきます。
「JALの奇跡~稲盛和夫の善き思いがもたらしたもの~」を読んでみた。
内容紹介
戦後最大2兆3000億円余の負債を抱えて倒産したJAL。マスコミ各社がこぞって“不可能”と断じた同社の再建に際し、会長に就任した稲盛和夫氏はたった二人の部下を京セラから連れて行った。
そのうちの一人が本書の著者・大田嘉仁氏――。長年、稲盛氏の秘書を務め、「稲盛和夫から最も信頼される男」「稲盛和夫の側近中の側近」と称された人物である。
本書は2010年に経営破綻に陥ったJALが、いかにして再生の道筋を辿り、奇跡の復活を果たすかまでの一部始終を綿密に描いた渾身のノンフィクションである。
稲盛氏が会長就任を引き受けるまでの経緯、着任当初、JAL社内に漂っていた冷ややかな空気、社内に充満する根深い相互不信……。そんな中、著者は主に意識改革担当として、カリキュラムや教材の作成、フィロソフィの策定等に関わり、わずか5人のメンバーで、3万2000人もの意識改革に挑んでいく。
稲盛経営哲学の集大成とも言えるJAL奇跡の再生。なぜ、不可能といわれたJAL再生は、わずか1年で可能になったのか? 本書は稲盛氏を最もよく知る著者だからこそ書き得た、貴重なビジネスの戦記。
最も信頼された副官
稲盛和夫さんは松下幸之助さんにも勝るとも劣らない現代屈指の経営者であり、ビジネスマンであれば、その著書を読む機会も多いのではないかと思います。
私自身も社会人になってから、稲盛さんの著書は数多く読みました。
後輩に著書を貸したらその感想が「宗教みたい」と言われたことも今となってはいい思い出です(笑)。
宗教かどうかは別として、その経営哲学は読んでいて納得の一言。自分の会社がこうだったらな~と思うことも少なくありませんでした。
本書は、稲盛さんがJAL再建を果たした際に副官として活躍された大田氏によって奇跡とも言われたその再建の軌跡が書かれています。
より良い生き方を教える成功方程式
稲盛さんの経営哲学の中でも有名なところで、成功の方程式があります。それは「人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力」というもの。
また、この順番が大事で、考え方が1番重要ということに、能力が高くない自分自身も若い時から励まされました。熱意や能力は1~100まで。考え方には-100から+100まであるので、能力が100でも考え方がマイナスではいい結果には結びつかないということを示したこの方程式は実際の会社を思い浮かべても納得できるものではないでしょうか?
自分自身は何ができるというスキル的な強みがなかった(今でもない)ため、この教えはスキルがない自分が仕事で成果を出すためよりどころにしていた教えてでした。
蘇った心
JALが破綻した当時の世論は、「名経営者である稲盛さんであっても再建は不可能。晩節を汚すことになる」といった声が多かったと思います。
しかし、現実は1年後には過去最高の営業利益を上げ、約3年後には再上場も果たすなど、素晴らしい成果を上げ、その経営力はより注目されることになりました。
具体的な再建の過程についてはぜひ本書を読んでみてほしいのですが、総じていえるのは「JALの社員の力を引き出した」ということに尽きると思います。
そのために、コンパであったり、フィロソフィの策定であったり、リーダー教育やアメーバ経営があったと思いますが、瀕死のJALにでも効くということは、きっと業種や職種を超えるものがその教えにはあるということなのでしょう。
そして、そうであるからこそ、その著書に学ぶビジネスマンがとても多いのだと思います(私も含め)。
まとめ
数々の稲盛さんの著書を読みましたが、大田さんの視点から見ての稲盛哲学はご自身の著書とはまた違ったものが見えたように思います。
もちろん稲盛さん自身の著書で語られる哲学も素晴らしいのですが、違った視点で見ることができる本書はより稲盛さんの教えを理解するために非常に役立つ良書であり、繰り返し読む価値がある本だといえると思います。
多くのビジネスマンにとって学び多い良書といえるでしょう。
(書き手 枝町旭展)