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読書も味方

「読書ってホントに面白い!」
読書離れも叫ばれる中、本を読まない方も多くなってきています。
しかし、ビジネスパーソンにとって読書は学びの宝庫であり、日々の仕事の課題を解決するためのヒントや答えが目白押し。
どんなジャンルであっても、読書は仕事において自分を助けてくれるものと信じています。
本は読みだすととても楽しく、まさに至福の時間です。
普段から読書をする方でも、しない方にも、読んできっと楽しめる本を紹介していきます。

「ワークマン式『しない経営』」を読んでみた。


内容紹介

☆急成長ワークマンの仕掛け人、初の著書!
巨人Amazonに負けない戦略を初公開!
☆残業・ノルマ・期限一切なし!
頑張らないで「10期連続最高益」の理由。

☆急成長のカギは、本書で初めて明かす、
左手に「しない経営」×右手に「エクセル経営」=「ブルーオーシャン市場拡張(客層拡大)」の方程式。
これにより、「データ活用ゼロ」だったワークマンの企業風土が劇変!
孫正義氏も驚いたという「高機能・低価格という4000億円の空白市場」を
新ブランド「ワークマンプラス」で開拓。

商社時代はジャングル・ファイターだった著者が
ワークマンでサーバントリーダーになって成果をあげた生々しいエピソード&ノウハウと
社員の成長物語をギュッと凝縮!


価値を生まない無駄なことはしない

作業用品店の域を超え、ワークマンが躍進しています。凄いなと感心するのと同時に、悔しさも感じます。

 以前の「ワークマンは商品を変えずに売り方を変えただけでなぜ2倍売れたのか」の際のブログでもお伝えした通り、大学卒業後10年働いたのが作業用品の業界だったためです。

規模では比較になりませんが、ワークマンとは同業の小売店であり、ただ仕入れるだけではなく、商品の自社開発も行うなども行っていました。そして、商品作りも販売もワークマンが見つけたと言われている空白市場(高機能で低価格)を常に意識して仕事をしていたのです・・・。

自分たちも気づいていて目指していた市場だっただけにうまくそこを広げることができなかった悔しさが転職し別業界で働くことになった今でも残っています。

だからこそ、本書も気になってついつい読んでしまったのだと(笑)。

ただ、読んでいて自分たちではここまで出来なかった理由もおぼろげながら分かりました。

それがテーマにもなっている「価値を生まない無駄なことはしない」ということ。

正直会社には忙しい人もいれば、暇な人もいて、思い付きでアイデアを口にして部下を振り回す幹部だったり、現場をみず自分の箱庭でしか物事を考えないトップがいたりすると思います。

何かをすることはコスト。それが掛けたコスト以上のリターンを生めばいい投資で会社に貢献できますが、そうならないことは非常に多い気がします。

また、当たり前のように続いていることも、当初の目的すらもう忘れ、毎年やっているからと惰性で続けられているものも多いと思います。

これらは一担当レベルでは思っていて、気づいていてもなかなか改善に繋げることが難しい(逆風がなぜか当たる)ものであり、これを会社として徹底できた「しない経営」が今日の躍進を支えているんだと感じます。


値引きは誰のためか

よくアパレルではシーズンもオフになると在庫を売り切るため割引を行います。しかし、ワークマンではシーズンの値引き販売は行わないそうです。

もともと作業服には流行りやすたりがないため、売れ残っても翌年また定価販売ができることもあって在庫処分セールという考えを持たない側面もあります。

この部分は同じ業界だからか、私がいた以前の会社もそうだったのですが、当時言われた値引きをしない理由は深いなと思い、今でも覚えています。

それは「シーズン初め定価で買ってくれたお客さんが損をするように感じることはしない」というもの。

確かに定価で折角買ってくれた方がシーズンオフに安くなっているのを見るといい気持ちはしません。

僕自身も経験がありますが、なんか高い買い物をしてしまい損をした気になってしまいます。

実際に損をしたわけではないのですが、そう感じてしまうことが問題です。

初めてこの理由を聞いたときに、「なるほど!」と思わされましたし、営業先でも何度も得意に話したエピソードでした。


「凡人による凡人の経営」

本書の終盤では早稲田大学大学院・ビジネススクールの入山教授とワークマン躍進の立役者である本書著者土屋専務との対談があるのですが、「凡人による凡人の経営をしないと、100年の競争優位は築けない」という発言がありました。

これはグローバル企業の考え方だそうで、個人的な意見だがこれができているのが日本ではファーストリテイリング(ユニクロ)くらいではというもの。

個人としては、「余人をもって代えがたし」となるよう仕事を頑張るほうが良いと思いますが、経営的には「突出した人の力で勝つのではなく、普通の人が普通にやって勝っていく」ほうが長続きする。

このことを「凡人による凡人の経営」と表現しているのだと思います。

データ経営が飛躍の秘訣ともいわれていますが、それを実現したのがどの会社でもおそらく使われている「エクセル」。

しかし、体系化された研修プログラムで徹底的に勉強する・それを実践で活用することを愚直に貫いたのがワークマン。

自分自身もその研修にぜひ受けてみたいと思いますが、誰でもできることを他社ができないレベル(やらない)にまで持って行けたことがワークマンの企業力の強さと言えるかもしれませんね。


まとめ

「しない会社」が、どのようにブルーオーシャン市場を発見し、客層拡大して業績を上げたのか。どのように自分の頭で考える社員を育てたか。

これが本書のテーマですが、重要なのは企業風土を変えたことに尽きる気がしています。

ワークマンプラスの成功が競争戦略面から語られることは多いですが、どの会社でも手を出したいと思ったり、また実際に手を出してもなかなかうまくいかない風土改革があってこそだと思います。

企業変革のひとつのケーススタディとしても学びの深い本だと思います!

(書き手 枝町旭展)