ブログ
読書も味方
「読書ってホントに面白い!」
読書離れも叫ばれる中、本を読まない方も多くなってきています。
しかし、ビジネスパーソンにとって読書は学びの宝庫であり、日々の仕事の課題を解決するためのヒントや答えが目白押し。
どんなジャンルであっても、読書は仕事において自分を助けてくれるものと信じています。
本は読みだすととても楽しく、まさに至福の時間です。
普段から読書をする方でも、しない方にも、読んできっと楽しめる本を紹介していきます。
「ワークマンは商品を変えずに売り方を変えただけでなぜ2倍売れたのか」を読んでみた。
内容紹介
全編コロナ後、書き下ろし! 「ワークマン初のビジネス書」誕生。
作業服専門店がアウトドアショップに転身!?
商品を全く変えず、売り方を変えただけで2倍売れた、
「アパレル史上に残る革命」の舞台裏を渾身ルポ!
消費増税も、新型コロナ禍も、全く揺るがぬ右肩成長。
ワークマンはなぜ、強いのか。その強さは、本物か。
ビジネスモデルのすべてに迫ったノンフィクションの決定版が登場。
●新業態「ワークマンプラス」は、なぜ生まれたのか?
●「ワークマンを変えた男」とは?
●実は「データ経営」企業だった!
●販促費を全くかけずに売り切る秘策!?
●まだまだある「第2、第3のワークマンプラス」
初出し情報多数。
国内店舗数でもコスパでも「ユニクロ超え」を果たしたワークマン、
大躍進のカラクリを仕掛け人が独占激白!
4000憶円の空白市場
北関東発の作業用品店が2018年大きく世間を騒がせました。9月20日に東京都立川市のショッピングモールに、新業態「ワークマンプラス」を出店。マネキンやポップを多用した店構えは本当にあのワークマンかと知る人を驚かせました。
同時に、これまでワークマンに見向きもしなかった一般客が始めてワークマンというお店・その存在を発見した瞬間だったと言っても良いでしょう。
その後は、様々なメディアにも取り上げられ、その効果もあってか知名度・売り上げともに上昇カーブを描き、2019年12月17日には時価総額は8600憶円を超えました。それはなんとあの日本マクドナルドをも上回りました。
高い機能性を持ち、かつその価格が手ごろというマーケットはこれまでの盲点であり、その市場は4000憶円の空白市場とこぞってメディアも紹介しています。
それを聞くとなぜか悔しい気持ちになる私でした・・・。
良くて安いでなくてはいけない業界
なぜ私が悔しいかと感じるのか?
何を隠そう、大学卒業後10年働いたのが作業用品の業界だったためです。
しかも、規模では比較になりませんが、ワークマンとは同業の小売店。ただ仕入れるだけではなく、商品の自社開発も行うなども行っていました。そして、商品作りも販売も空白市場といわれた市場を常に意識して仕事をしていたのです・・・。
自分たちも気づいていて目指していた市場だっただけにうまくそこを広げることができなかった悔しさが転職し別業界で働くことになった今でも残っていたようです。
辞めた今でも面白い業界だと思っていて、販売する商品は仕事に使用するもの(消耗品)だから買いやすい値段でなくてはいけない。ただし、安いからといって耐久性などの機能がなければ使いものにもならず、よりよい素材を使用すると今度は値段も高くなるのが普通だが高すぎては買っていただけない・・・。
つまりは「良くて安い」という相反することを追求することが究極に求められる業界。この難しさが常に付きまといますが、やりがいのある仕事であったなと今でもしみじみ思い、本書を読んでいて当時のいろいろなエピソードが思い出されました。
大躍進の裏にデータ経営あり
本書を読んで初めて知ったのだが、ワンタッチで仕入れ完全自動化を達成しているその仕組み力。発注を原始的に行ったことがある方にはワンタッチの凄さが分かると思います。ただ、その実現がやはり企業力の強さなのでしょう。
その強さを感じたのが、マイクロソフトの表計算ソフト「エクセル」を駆使してのデータ分析。エクセルはWindowsパソコンに標準搭載されている多くの方にとってなじみがあるソフトをカリキュラムを組み全社員が駆使できるようにしているとのこと。
つまりはほかの会社でもやろうと思えばやれることを、愚直に行っている姿が見えてきます。しかし、その教育も実践しているところはそう多くはないと思います。そうであるからこそ、よりその企業の強さが表れているなと感じました。
まとめ
今ではポストユニクロの筆頭格とまでいわれる存在となったワークマン。同業だっただけに一般の人よりもその企業としての凄さは知っているつもりですが、ここまでの企業になるとは・・・。正直、予想もしていませんでした。
ワークマンの躍進は「アパレル市場に残る革命」であり、その軌跡が分かる本書は多くのビジネスマンにとって学び多い良書といえるでしょう。
(書き手 枝町旭展)