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読書も味方
「読書ってホントに面白い!」
読書離れも叫ばれる中、本を読まない方も多くなってきています。
しかし、ビジネスパーソンにとって読書は学びの宝庫であり、日々の仕事の課題を解決するためのヒントや答えが目白押し。
どんなジャンルであっても、読書は仕事において自分を助けてくれるものと信じています。
本は読みだすととても楽しく、まさに至福の時間です。
普段から読書をする方でも、しない方にも、読んできっと楽しめる本を紹介していきます。
「最高のコーチは、教えない。」を読んでみた。
内容紹介
大谷翔平・ダルビッシュ有のコーチが伝える超一流コーチング。
才能を120%引出し、圧倒的成果を出す方法。
ビジネスに役立つ 超一流コーチング。
どうすれば相手のモチベーションを高め、能力を引き出し、
高い成果を挙げることができるのか。
メンバーを成長させることができるのか。
この本では、個人の能力を最大限に引き出し、高い成果を挙げる方法を紹介する。
その方法は、「教える」のではなく、自分の頭で考えさせるように質問し、コミュニケーションをとる「コーチング」という技術である。
コーチの仕事とは「教える」ことではない
指導者=教える人というのが多くの方にとってイメージするところではないでしょうか?
吉井コーチが考えるコーチの仕事は、選手が自分で考え、課題を設定し、自分で能力を高めていくというもの。
読んでいて、僕自身もその通りだなと思うのと同時に、ある言葉を思い出しました。
「貧者に魚を与えるな。魚の釣り方を教えよ。」とか「魚を与えるよりも、釣り方を教えよう」みないな言葉の若干の違いはあれよ、こんなニュアンスの言葉を1度は耳にした方は多いのではないかと思います。
真意は不明ですが、インドや中国で古くから言われていることわざのようです。
主旨としては「人に魚を与えると1日で食べてしまうが、釣りを教えることで生涯食べていく事ができる」というもの。
いわゆる自立ということだと思います。
仕事においては「答えを一方的に教えるのではなく、自分自身で気づくことがとても大切」です。
それがなければ、ただの指示待ち族になり、自ら行動することができなくなります。
相手のタイプは無限
同じことをしているのに、その出来栄えに「自分はまだまだ仕事ができない」と悩む方もいれば、むしろその人よりもクウォリティが低かったとしても「自分は仕事ができる」と自信満々の方もいらっしゃるのが世の中です。
感じ方に正解はありませんし、育ってきた環境・性格など様々な要素で成り立つものですので人の数だけ答えがあります。
相手と自分の経験・常識・感覚は全く違うということ。
これを踏まえた接し方は、頭では分かっているものの、なかなか「できる」の段階まで到達するのは難しく簡単ではないことです。
だからこそ、人の成長に貢献する仕事は楽しくもあり、時につらくもあり、一生懸命自分の人生の貴重な時間をかけるだけの価値あるものなのかもしれません。
方法は無限にあり正解がないからこそ、教え伝える側自身も、常に学び続けることが求められますし、そういった指導者に巡り合えた時には感謝です。
正しい叱り方
吉井コーチが就任してすぐの時に、名将として呼び声高い野村克也氏に質問しに行ったことが「叱り方」について。
「選手を叱るときはどんなケースがありますか?僕。叱り方がわからないんです」という吉井コーチに対し、ボソッと野村監督が呟きました。
「そんなん簡単。手を抜いたときや。でもな、選手にミスは絶対に叱っちゃあかん。本気を出さんとき、手を抜いたとき、そんときだけ怒れ」
この考え方は野球選手に限った話ではありません。
ミスをしたことを自分自身が認識していなければ別ですが、自分がミスしたことが分かっていれば1番悔しいのは自分自身。
僕自身も沢山の失敗を重ねてきて、色々な指摘を貰ったことがありますし、今でもそうなのですが、自分自身で反省しているときにミスに対して指摘があると傷口に塩を塗るようなもの。
逆に反発を覚えることもなきにしもあらずです。
名将の言葉はシンプルですが、短い中に本質が隠れていて流石ですね!
まとめ
本書では吉井コーチによる「教える」のではなく、「考えさせる」というコーチング理論と、実践方法が紹介されています。
それは対プロ野球選手だけのものではなく、どのような業界でも通用する手法。
働く中で多くの方は、ある段階で部下・後輩を「育てる」という仕事に向き合うときが来るかと思います。
そんな特に、部下の指導方法に悩む上司の方や、チームの育成を任されたリーダーの方には、参考になるヒントが本書には目白押しです。
読んだことを自身の世界に変換し、試してみることで、本書は悩める多くの人にきっと役に立ってくれることと思います。
(書き手 枝町旭展)