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読書も味方
「読書ってホントに面白い!」
読書離れも叫ばれる中、本を読まない方も多くなってきています。
しかし、ビジネスパーソンにとって読書は学びの宝庫であり、日々の仕事の課題を解決するためのヒントや答えが目白押し。
どんなジャンルであっても、読書は仕事において自分を助けてくれるものと信じています。
本は読みだすととても楽しく、まさに至福の時間です。
普段から読書をする方でも、しない方にも、読んできっと楽しめる本を紹介していきます。
「築地本願寺の経営学」を読んでみた。
内容紹介
400年の伝統ある築地本願寺でも
今、変わらなければ潰れます。
「カンブリア宮殿」で注目!
・コロナ禍でもオンライン法要で集客力向上
・予約殺到の30万円からの「合同墓」
・インスタ映えで大行列のカフェ
築地本願寺の「顧客創造」の3つのステップ
ステップ1 「開かれた寺」になり一般の人たちと「ご縁」をつくる
ステップ2 「人生のコンシェルジュ」になって「ご縁」をつなげる
ステップ3 「ご縁」がつながった人たちに門信徒になっていただく
「なぜ、そんなことをする必要があるのか?」
著者の提案に、居並ぶ僧侶たちは半ば唖然としていたに違いありません。
どんな企業も、時代の変化とともに変わらなければ生き残れません。
それは寺院にしても同じことです。
変わりゆく時代の中で仏教の教えという変わらない価値を伝えるには、
その方法や手段も時代に合わせて変化する必要があり、
さらには自らが変化することを恐れてはなりません。
元銀行マン僧侶が挑むビジネスモデル変革とリブランディングから
マネジメントの基本と「常識を超えるマーケティング」が学べる1冊。
改革案は易し、改革実行は難し
文化的にはやはり仏教が色々なところで日本に根付いている気はしますが、日本人は無宗教という方が多いようです(僕も聞かれたらそう言いますし)。
「葬式仏教」と揶揄する言葉もありますが、お寺と人の接点を日頃から持っている人は特に都市部ではあまりおらず、関わるのは葬式や墓参りだけという方がほとんどでしょう。
最近では「葬式も墓もいらない」という方が出現し、その傾向は今後ますます増えていくものと思います。
事実、お寺と人との関わりは大きく変化し、寺離れが進んでいます。
その要因として、都市部への人口集中・少子高齢化や核家族化、加えて価値観の変化があると思います。
日本に7万7000あるお寺のおよそ3割が20年後にはなくなるとの予測があるくらいだそうです。
どんな企業も、時代の変化とともに変わらなければ生き残れません。それはもちろんお寺も同じ。
ただし、組織の変化への対応というのは簡単にできることではなく、利益を出すために変わる必要性が理解されやすい会社と違い、独特な宗教界でその変化対応はなかなかできていないし、必要性を感じてもらうところからのスタートだったのが本書の著者。
最近ではその経歴からビジネスマン僧侶とメディアの注目度も高い著者ですが、僕らにも参考になる考えの宝庫が本書です。
お寺にも「宣伝」は欠かせない
テレビ東京の「カンブリア宮殿」で築地本願寺が取り上げられた際、宿泊施設も紹介されて多数の問い合わせがあったそうです。
バストイレは共用ではありますが、1名1泊5000円からと場所を考えれば破格で非常にリーズナブル。反応があるのも納得です。
宿坊でさえ、「お寺の関係者じゃなくても泊まれますか?」との質問に、著者はお寺はやはり閉じられた場所とのイメージが強いのだと実感したそうです。
宣伝というと商売チックかもしれませんが、「伝える」ことの重要性を示しているエピソードと思います。
現代は情報が多く、最早人間の処理能力を超えている量といってもいいでしょう。
そんな中で自分たちのことは自分たちが思っている以上に知られていないものです。
だからこそ、繰り返し定期的に伝えることは重要で、それはお寺であっても企業であっても変わらない点でしょう。
困ったらお寺に行こう
2016年の5月、築地本願寺では銀座にサロンをオープンしました。
平たくいえば、カルチャーセンターのような取り組みだそうです。
会社帰りのビジネスパーソンに立ち寄ってもらうことも想定し、アンガーマネージメントやNFP、コーチングなどの講座もあるとのことで非常に面白い取り組みだと思います。
「人生のコンシェルジュになる」という壮大な目標にふさわしい意欲的な挑戦に、近くにあったら正直利用したいなと思い読んでいました。
GINZAサロンでは上記ほかに、仏事やお墓のこと、そして生活の不安や人間関係の悩みに個別に相談できる「よろず相談」という機能も備えています。
昔は困ったことが起きるたびに、人々はお寺の住職に相談していたと聞きますが、今では「困ったらお寺に行こう」という話は聞きません。
ただ、問題は減るどころかむしろ増えているかもしれません。
だからこそ、心療内科やカウンセラーのような専門家が増えているのだと思いますが、お寺の可能性についても考えさせられるものがあります。
まとめ
カンブリア宮殿で見て印象に残っていたので、本書が出版されたことを知ってすぐに購入しました。
宗教界というのは印象ですが古い体質の組織だと思います。
自分自身、宗教界ではないですが、変化を好まない体質の組織にいたこともあり、変化への苦労は非常によく分かります。
今いる組織を変えよう!とか強い想いを持っている方にエネルギーをくれる良書だと感じました!
(書き手 枝町旭展)